空を見上げる涙は #23
車に乗って20分ほどが過ぎた頃、目的地と思われる場所に到着した。
車が停まったのは、とあるマンションの地下駐車場。
「ここって・・――。」
「高級マンションってまではいかないけど、それなりにセキュリティはしっかりしてるぜ?」
してやったりとご満悦の男は、さっさと車を降りて歩き出す。
確かに、セキリュティはそれなりのようで。
駐車場に入るにも、何やらリモコンを操作してシャッターを開けていた。
中へ向かう入り口らしき場所の脇にはオートロックのボタンが付いている。
洸希はそれを慣れた仕草で解除すると、躊躇することなくエレヴェーターへと向かう。
どうやら、地下から直接繋がっているらしい。
慌てて後を追ってきた晶の肩を抱くようにして乗り込むと、扉が閉まるのを待たず掠めるように軽く唇を奪われた。
「ちょっ!何してんの?!誰かに見られたら・・――。」
「俺は気にしない。むしろ、お前が俺のもんだって、皆に教えてやりたいくらいだしな。」
焦る晶を余所に、平然とした顔で洸希が応える。
その言葉に首元までが一瞬にして赤く染まったのを感じ、そっぽを向いてお決まりの台詞。
「・・・バッカじゃ無いの。」
洸希と出会ってからというもの、口癖になってしまった言葉は、素直になれない晶の照れ隠し。
それが分かっている洸希は、意にも解さないどころか嬉しそうに笑みを浮かべ、そっと晶の手を握り締める。
そのままエレヴェーターは上昇し続け、最上階でようやく扉が開いた。
「このフロアにある部屋は4つ。ま、外(ほか)には貸し出さないようにしてるけどな、仕事上の問題もあるし。」
こっち、と促され、手を引かれたまま洸希の後に続き説明を受ける。
キョロキョロと珍し気に辺りを見回す晶に、洸希は車のキーと一緒に持ち歩いているカギを見せてニヤリと笑う。
「さっき乗ってきたヤツは地下からこのフロアへの直通。このカギ使わないと動かない。各フロア止まりは隣のを使ってくれ。」
「それって・・――!」
からかっていたのかとムッとし、繋がれていた手を乱暴に振り払う。
だからあんなに平然としていられたのかと睨む晶の腰を引き寄せると、耳元に唇を寄せてくる。
「言っとくけど、俺、お前に嘘付いたことは無いからな。バレても平気な位、お前に惚れてんだよ。」
これだから、この男には敵わないのだと改めて思う。
真面目な顔で、恥ずかしいこともスラリと口に出してしまう。
それが普通に出来てしまう男なのだ。
赤く色付いた顔を隠すべく、視線を逸らした晶の腰を抱いたまま歩き、ひとつのドアの前で足を止めた。
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│2008/07/19(土)00:00




