僕達だけの天国 (27)
あの日、泣きながら家に飛び込んできた美佐子と郁巳。
2人に連れ添うようにして、家族皆で向かった先は病院で・・・・。
両親の慌てた様子に、子供ながら大変なことが起こったのだと理解した。
そして・・・向かった先。
病室のベッドの上、何の表情も無いままぼんやりとしていた隼弥の姿に、ぞっとした。


『水族館に行ったら、あっちゃんにお土産買ってくるからね!』

『やりぃ!約束な!!』


そんなやり取りをして笑顔の3人を見送ったのは、ほんの数日前だったのに。
弾けるような隼弥の笑顔を見たのも、ほんの数日前の事なのに。
駆け寄った敦の事も、それどころか美佐子達の事すら分かっているのかいないのか。ぼんやりとしたままの視線は、誰の瞳を捉えることも無かった。

それでも、隼弥は生きていた。
それだけで、嬉しかった。

日を開けずに行われた葬式でも、隼弥は涙ひとつ流すことなく。
火葬場に着いて、高い高い煙突から吐き出される煙を、ただぼんやりと見上げていた隼弥。
そんな隼弥が、自分に気付いて微笑んだのだ。お土産と言って、笑ってくれた。
嬉しくて、悲しくて、涙が止まらなかった。


  ―― あっちゃんは、俺置いてどっかいなくならない?


敦の涙につられるように、零れ落ちた隼弥の涙。
次々と顔に筋を作るその涙を、止めてあげたかった。
頼りなさ気に揺れる瞳を、どうにかしてあげたくて・・・・。
約束する!と差し出した小指へとそっと伸ばされた隼弥の指は、微かに震えていて。
ずっと傍にいると言い切った敦に見せてくれた、久しぶりの笑顔が眩しかった。




あの時貰ったキーホルダーは、今でも敦の大切な宝物。
イルカの形をした、小さなキーホルダーは、すっかりボロボロで。チェーンが壊れたそれは、今ではストラップに作り替え、携帯の脇で揺れている。


  ―― 隼弥が自分の傍からいなくなるなんて・・・そんな事、ある筈ない


けれど、ここ最近ずっと様子のおかしかった隼弥。
昨日も今日も、隼弥は自分との間に、妙な壁を作っている。


「・・・・・あいつ、好きな子いたんだ――」


松本が慌ただしく出て行った音で目が覚めた。
静まり返った部屋の空気に起きることも出来ず、タオルケットに包ったまま寝たふりを続けた。直ぐに起きれば良かったと、後悔した時には遅かった。

深雪と隼弥の交わしていた会話。
それは、隼弥には想っている相手がいるということ。
そして、深雪は振られたという事実。

隼弥も自分も年頃の男で、まして隼弥はもてる。そういう相手がいたって不思議じゃない。
それなのに、どうしてか胸が痛くて。


「何なんだよ・・・俺だけ、知らなかったのかよ――」


隼弥に好きな子がいたなんて、全然気付かなかった。あんなにいつも一緒にいたのに。
自分は美亜ちゃんの事だって隠さず教えていたというのに、隠されていたという事実に、正直へこんだ。
自分は隼弥にとって相談相手にすらならないのかと。


「隼弥に恋人が出来たら・・・今までみたいに一緒にいれないのか?」


そんなことない!と頭からその考えを取り去ろうとしても、浮かんで来たのは隼弥に寄り添っていた深雪の姿。
自分が煽った筈なのに、並んでいる2人を見たら苛々して。隼弥の隣にいるのが自分じゃない事が堪らなく嫌で。
その事実が、敦の胸の中でもやもやとした感情を渦巻かせていた。





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その感情よ!
もう、最高っすね!!
敦。そうやってみんな恋をするんだ!
苦しくて、苛々しても、それが成就した時の
嬉しさったらもう…
たまりません!!!

隼弥に恋人ができたらね。
でも、それは敦であってほしいよぉぉぉぉ!!!
はぅーーーーー!!!(*´Д`)
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水無月さまv
おぉ!最高いただきましたー!
あざーーっす!!

> 苦しくて、苛々しても、それが成就した時の
> 嬉しさったらもう…

うんうん、敦はね、まだ恋に恋してるお子ちゃまだからww
でも、いま、まさに分岐路?

明日、も少しお話が動きますw
早く気付け〜敦ーー(*´Д`)はうぅ
秘密コメお返事
Tさまv

> その気持ちが何か気が付くまで、ずっと悶々したまんまなんだよ。

そうそう、そうなんですよねぇ〜。
敦は気付けるのでしょうか?

> 隼弥のためにも早く気がついてあげなよー。

本当に!
なので、あまりにお子ちゃまな敦くん。
も少し悩ませたいと思います(←酷っ

いやいや、Tさまのとこのお子も、素敵じゃないですか!
スレてんのは柚子季の方です・・・汗
秘密コメお返事
K様vv

ぎゃーーー!!
お、怒られた!!オロオロ\(゜ロ\)(/ロ゜)/オロオロ

> 気付けっ!

は、はい!すみません!!(←爆)
K様のお怒りを伝えるべく、ちょいと仕掛けたいと思っておりますので〜(ニヤリ

わわ!マジっすか?
じんわり来て頂けましたか?!
ひぃ〜〜ん、勿体無いお言葉ありがとうございます!!
辛い経験をしてきた隼弥。
その辺りも今後の展開に絡んできますので・・・コッソリ

コメントありがとうございましたー♪
敦君早く気付いてよーーー(ToT)
自分が煽ったわけだしなんか複雑になってきましたね…
ここは隼弥にもしっかりしてもらわないと!
敦が気付き始めた!
いつも遅コメすいません。最近遅くまで起きていられないです。
としなのか…(涙
いやん敦ったら隼弥のすきなひとが自分って気付いてない!!
もう〜鈍いんだから〜〜そこが可愛いけど!
敦くんにとってみれば、隼弥が側にいるのはその頃決まった
絶対法則みたいな物で、何があっても揺るがないと信じて
疑わないことだったんですね。
でもでも、大人になっていくと他に大事な人が現れる=自分が常に
隣りにいられなくなるかも、って初めて気付いたんですね。
深幸グッジョブ!
あとは自分に恋愛感情があるのかどうかですが…。
tategoto910様v
> 敦君早く気付いてよーーー(ToT)
> 自分が煽ったわけだしなんか複雑になってきましたね…

本当ですよねぇ・・・・・複雑だ。
柚子季に収拾つけられるのだろうか。

しかも今、頭ごちゃごちゃしてるので余計(泣)

頑張りますよ〜!
このままにしてちゃ隼弥も可哀想ですもんね!
よし、気持ち入れ替えなくちゃ!!
りり様v
> いつも遅コメすいません。最近遅くまで起きていられないです。

いえいえ〜お気になさらずに。
コメ頂けるだけで嬉しいですから(*^_^*)

わわわ〜〜!!
さすがりりちゃま!
柚子季の表現したいこと全部言ってくれちゃいましたw
ありがとうございます!!
そうなんですよ、敦にとってはいて当たり前。
息をするのと一緒なんです。
深雪のおかげで初めて疑問を抱いた関係性。
さて、敦、どうする?

> あとは自分に恋愛感情があるのかどうかですが…。

何も思ってないわけでは無さそうですが…どうなることやらw
敦タン…
>「・・・・・あいつ、好きな子いたんだ――」

 て、そんな、のん気な〜〜〜〜!!!
 君のことだよ、君の〜〜〜!!!

 本気で気付いてないの?
 ねぇ、本気で気付いてないの!?

 あうぅ…じれったい〜〜〜!!!
如月久美子さまv
ねぇ〜〜(苦笑)
深雪との会話、聞いてたくせにそれが自分とは思っていないあたりが敦です(汗
なので・・・・・この後、気付いてもらいます(ふふ

ですが

すみません、ちょっと立ち直るまで時間もらうかもです(涙
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柚子季 杏

Author:柚子季 杏
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