僕達だけの天国 (26)
2009-01-08(Thu)
お邪魔しましたーと響く声に、窓から身を乗り出し二人を送り出す。
自転車を漕ぐ松本の肩に手をかけ、2人乗りで遠ざかって行く様子に、隼弥も表情を緩めた。
振り返れば、ベッドにうつ伏せになる敦の姿。その脇にそっと腰を下ろす。
瞳が開いている時は敢えて避けているその顔を、隅々まで焼き付けるようにじっと見下ろし、少し硬めのその髪へと指を伸ばした。
くしゃりと髪を掻き回すと、もぞりと寝返りを打ちながら敦の瞳が開く。
ふぅ、と息をひとつ吐き出した隼弥は、さり気無くその視線から顔を背けた。
「やっぱ、起きてたんだ?」
「あー・・・うん・・・・・。俺、帰るね・・・」
起き上った敦から距離を取るように、再び窓へと向かう。
視線を外に向けたまま、隼弥は気まずげに告げた声の主を振り返ることは無かった。
少しの躊躇いを見せた後、敦がそっと部屋を出て行く気配がする。
窓枠の桟に腰を掛けたままぼんやりとする隼弥の視界に、敦の姿が映る。いつもの敦らしからぬ足取りで隼弥の家を出てきた敦が、自分の家へ入る前、一瞬隼弥の部屋の窓を見上げた。
(――え?・・敦・・・・?)
その表情に、隼弥の胸が音を立てた。
思わず口を開きかけた隼弥を残し、敦はそのまま家の中へと消えていく。敦の姿が消えた玄関扉から、隼弥はなかなか視線を外すことが出来なかった。
(何なんだよもう!分けわかんねぇし・・・・・)
隼弥の部屋へ深雪を連れて行った時、睨み付けるようにして言われた言葉が蘇る。
―― 先輩、ボク・・・負けませんから
その言葉の後に続けられたひと言が、耳にこびり付いて離れない。
『先輩はずるい。何の努力も無しに隼弥先輩を独り占めして、一緒にいること当然だと思ってるでしょ?高山先輩に隼弥先輩は勿体ないです・・・だからボク、悪あがきしますから』
「勿体ないって・・・・何だよ、それ――」
一緒にいることが当然だなんて・・・だって、隼弥は小さいころかずっと自分と一緒にいて、それが当たり前の毎日で。
深雪の言葉と共にグルグルと回る思考に、敦は唇を噛み締めてベッドへ身を投げ出した。
隼弥が自分の前からいなくなるなんて、敦には想像すらつかな無かった。そんな日が来るかもかしれない等とは、これっぽっちも考えていなかった。
―― 隼弥に恋人が出来たら・・・一緒に、いられなくなる?
そんな当たり前の事に、気付かなかった自分。気付く必要がない位、2人はいつでも一緒だったから。いつでも一歩後ろに、振り向けば触れる位近くに、隼弥がいたから。
「だって・・・約束、したんだ・・・・」
目線の先に右手の小指を掲げてみる。
あの日、隼弥の涙を見たのは自分だけだった事を思い出す。
―― 指切り拳万、嘘吐いたら針千本、の〜ますっ!
子供の頃の他愛無い約束事。
けれど自分にとっては、忘れることの出来ない、大切な約束事だったから。
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ちょっと今日はショックな事がありまして・・・・・もう笑うしかない(T▽T)アハハ
人間ストレスを溜めるもんじゃないですね、ほんとに(苦笑)
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くしゃりと髪を掻き回すと、もぞりと寝返りを打ちながら敦の瞳が開く。
ふぅ、と息をひとつ吐き出した隼弥は、さり気無くその視線から顔を背けた。
「やっぱ、起きてたんだ?」
「あー・・・うん・・・・・。俺、帰るね・・・」
起き上った敦から距離を取るように、再び窓へと向かう。
視線を外に向けたまま、隼弥は気まずげに告げた声の主を振り返ることは無かった。
少しの躊躇いを見せた後、敦がそっと部屋を出て行く気配がする。
窓枠の桟に腰を掛けたままぼんやりとする隼弥の視界に、敦の姿が映る。いつもの敦らしからぬ足取りで隼弥の家を出てきた敦が、自分の家へ入る前、一瞬隼弥の部屋の窓を見上げた。
(――え?・・敦・・・・?)
その表情に、隼弥の胸が音を立てた。
思わず口を開きかけた隼弥を残し、敦はそのまま家の中へと消えていく。敦の姿が消えた玄関扉から、隼弥はなかなか視線を外すことが出来なかった。
(何なんだよもう!分けわかんねぇし・・・・・)
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―― 先輩、ボク・・・負けませんから
その言葉の後に続けられたひと言が、耳にこびり付いて離れない。
『先輩はずるい。何の努力も無しに隼弥先輩を独り占めして、一緒にいること当然だと思ってるでしょ?高山先輩に隼弥先輩は勿体ないです・・・だからボク、悪あがきしますから』
「勿体ないって・・・・何だよ、それ――」
一緒にいることが当然だなんて・・・だって、隼弥は小さいころかずっと自分と一緒にいて、それが当たり前の毎日で。
深雪の言葉と共にグルグルと回る思考に、敦は唇を噛み締めてベッドへ身を投げ出した。
隼弥が自分の前からいなくなるなんて、敦には想像すらつかな無かった。そんな日が来るかもかしれない等とは、これっぽっちも考えていなかった。
―― 隼弥に恋人が出来たら・・・一緒に、いられなくなる?
そんな当たり前の事に、気付かなかった自分。気付く必要がない位、2人はいつでも一緒だったから。いつでも一歩後ろに、振り向けば触れる位近くに、隼弥がいたから。
「だって・・・約束、したんだ・・・・」
目線の先に右手の小指を掲げてみる。
あの日、隼弥の涙を見たのは自分だけだった事を思い出す。
―― 指切り拳万、嘘吐いたら針千本、の〜ますっ!
子供の頃の他愛無い約束事。
けれど自分にとっては、忘れることの出来ない、大切な約束事だったから。
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